第19作 | ズッコケ三人組の推理教室 |
基礎データ
初版 | 1978年2月 |
ページ数 | 182(あとがき2含む) |
ジャンル | オムニバス(歴史、ミステリー、ホラー) |
挿絵 | 前川かずお |
あらすじ | シャーロック・ホームズを読んで、すっかり名探偵気取りのハカセ。折しも、ネコ誘拐事件と思われる出来事に遭遇。 ハチベエ、モーちゃん、荒井陽子たちと事件の解明に乗り出すのだった。 |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | 名探偵の条件 | 10 |
2 | ネコ誘拐事件 | 61 |
3 | 小堺ペットショップ | 119 |
4 | 張りこみ、追跡、そして…… | 161 |
作者からきみたちへのメッセージ
シャーロック・ホームズほどの名探偵になるには、さまざまな条件がひつようである。 するどい観察力、情報収集能力、そして卓抜な推理力などなど……。 この物語を読んで、きみも、名探偵にチャレンジしてくれたまえ。 |
作品鑑賞
・通算3本目の純粋ミステリー。作者のミステリー好きが尋常でないのは、この後も続々とミステリーが書かれていることでも分かる。ただし、二十面相をパロディ的に扱った「怪盗X」を除けば、出来はいずれも芳しくなく、事実上、本作が最後の力作になっている。 |
・冒頭、ホームズの活躍が具体的に記されている。フィクションは読まない主義のハカセがすっかり傾倒してしまう導入部は楽しい。もっとも、今回彼らがぶつかるのは、ネコを誘拐し、それで謝礼金をせしめるというかなりせこい犯罪であったが、フリーペーパーの広告を頼りにネコの飼い主を見付けるという発想は極めて生活感のあるアイデアである。 |
・今回は、今まで以上に足を使って地道に聞き取りをしたりして、探偵と言うより、刑事モノっぽい印象を受ける。 |
・荒井陽子がヒロイン格でほぼ全篇に渡って登場するのが特色のひとつ。 |
管理人の評価
・町内ミステリーとしてはかなり面白い。ただ、スケールが小さいのは否めないし、ドラマ部分も弱い。娯楽路線としては及第点だが。 | ランクC |