第23作 | ズッコケ妖怪大図鑑 |
基礎データ
初版 | 1991年8月 |
ページ数 | 204(あとがき2含む) |
ジャンル | 妖怪、ミステリー |
挿絵 | 前川かずお |
あらすじ | 雪の積もった朝、ハチベエはハカセたちに呼ばれて花山団地の旧館にあった「謎の足跡」を見せられる。一方、花山団地の住民が、 怪奇現象に悩まされる事件が続発し、引越しをする家族さえ現れた。ハチベエたちは旧館に謎があるのではないかと探索に行くが、 巨大の火の玉の幻影に襲われる。ハカセは、事件の裏に「ごくろう塚」と呼ばれる古い石碑が存在することをつきとめる……。 |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | 謎の足あと | 10 |
2 | 炎の恐怖 | 56 |
3 | ごくろう塚の伝説 | 100 |
4 | 権九郎の正体 | 148 |
作者からきみたちへのメッセージ
この本には、いろんな妖怪が登場します。 みんな、こわい顔をしていますが、べつにかみついたり、ひっかいたりしませんから、 どうか、こわがらないで、かわいがってやってください。 そうすれば、毎晩、きみのところに遊びにくるようになりますよ。 |
作品鑑賞
・心霊モノ第3弾と言いたいが、タイトルにしっかり「妖怪」とあるように、登場するのは幽霊と言うより、日本古来の妖怪たちであり、内容的にもどこかユーモラスである。花山団地旧館の周辺で起こる数々の怪異現象、江戸時代にさかのぼる伝説の妖怪のこと、そして事件の裏に見える老人問題などが複雑な構成で組み立てられている。一見関係のない事象が、三人組の活躍で徐々にそのつながりが明らかになっていくあたりは、ミステリーの要素も相当強い。 |
・町内が舞台だが、花山団地がその中心になっているので、クラスメイトはほとんど登場しない。一方で、タエ子姉さんが三人に劣らぬ活躍を見せる。 |
・さまざまな妖怪が登場するものの、それぞれの描写は平淡で類型的で、キャラクターとしての魅力は高くない。 |
・一応人間側の勝利で結末を迎えるが、モーちゃんの台詞で人間中心の傲慢な社会への疑問を投げているのが、いかにも作者らしい。 |
管理人の評価
・ミステリーとしても妖怪ものとしてもやや中途半端な印象を受ける。ドラマ部分も特筆すべき点はない。 | ランクC |