第24作 | 夢のズッコケ修学旅行 |
基礎データ
初版 | 1991年12月 |
ページ数 | 204(あとがき2含む) |
ジャンル | 学校行事、トラベル |
挿絵 | 前川かずお |
あらすじ | 修学旅行を前に、ハチベエはガールフレンド作り、ハカセは尊敬する考古学博士との出会い、モーちゃんはいかに たくさんのお菓子を持ち込めるか、それぞれ野望を秘めていた……。 |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | 指おりかぞえた火曜の朝 | 10 |
2 | 途中いろいろありまして | 59 |
3 | さあ、ホテルでのひと騒ぎ | 113 |
4 | 旅の終わりに見る夢は | 155 |
作者からきみたちへのメッセージ
この本は、修学旅行の楽しいすごしかたを、三人の少年をつかって、具体的に、かつ克明に描いたものであります。 これから修学旅行に出かけるひとには、おおいに参考になるでしょう。 もう、旅行のすんだひとは、こんなすごしかたもあったまかと、せいぜい悔しがってください。 |
作品鑑賞
・小学生の一大イベントである修学旅行を扱った作品。もっとも、「ズッコケマル秘大作戦」で既に修学旅行が描かれているのだが、各作品はパラレルワールドとして規定されているので、それほど気にすることはない。無論、行き先は全く異なる。 |
・現在ならば、海外旅行でのカルチャーショックなどがモチーフになりそうだが、当時の地方都市の小学校のこと、行き先も同じ中国地方に限られている。 作者があとがきで述べているように、近所の小学校(松崎小学校? 勝間小学校?)の生徒から「旅行のしおり」を借りて書いているせいか、ディテールは極めて具体的で、リアルである。 |
・当然、いつになくクラスメイトの描写も豊富で、キャラクターの描き方も振幅が大きくなっている。金田進がおねしょに悩んでいるとか……。逆に言えば、本来主役の三人組も、旅行メンバーの一員程度の扱いをされているともいえる。 |
・旅先でいがみあった他校の生徒をトラブルから助けて仲良くなってしまうハチベエなど、いかにもそれらしい小エピソードも散見されるが、やはり特に大きな出来事がストーリーを牽引すると言うことはなく、あくまで旅行そのものの描写がメインになっている分、ドラマとしては食い足りないのも確かだ。 |
・終盤、突然荒井陽子がハチベエの隣に進んで座るけれど、その心境の変化については特に説明がない。作者のハチベエへの思いやりだろうか。 |
・冒頭、バスが出発したあと、校長と教頭が、昔の映画について語るというくだりがあるのだが、これは何の意図でおかれているのか、無知な管理人にはさっぱり見当も付かない。まあ、特に意味はなかったのかもしれないが。 |
管理人の評価
・修学旅行と言う純粋にイベントにしぼった珍しい作品。面白くないわけではないが、同じ行事を舞台にした過去の作品と比べると見劣りしてしまう。 | ランクC |