第28作 | 参上!ズッコケ忍者軍団 |
基礎データ
初版 | 1993年12月 |
ページ数 | 204(あとがき2含む) |
ジャンル | 戦争ゴッコ |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | カブトムシ採取の穴場として花山第二小学の生徒の間で有名だった八幡谷が、中学生をリーダーとするサバゲー軍団に占拠される。ハチベエたちは同志を募って攻撃を仕掛けるが、杜撰な計画のために完敗し、ハカセ、モーちゃんは敵前ですっ裸にされる屈辱を味わう。ハカセは新たに作戦を練り直し、陽子たちも仲間に加えて忍者軍団を結成。リベンジに立ち上がるのだった。 |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | ドラゴン部隊 | 10 |
2 | 八幡谷攻防戦 | 58 |
3 | くノ一登場 | 104 |
4 | 忍者軍団総攻撃 | 150 |
作者からきみたちへのメッセージ
忍者は、常に刃の下に心をおき、そのありようは、 影のごとく正体をかくし、霜夜に霜のふるごとく 音を殺し、目的をとげた暁には、風のごとく 闇にきえる。 そう、きみが教室のなかで、そっとだしたおならのようなものなのだ。 |
作品鑑賞
・徹頭徹尾、戦争ごっこと言う遊びに終始した娯楽作品。シリーズ後期作品としては屈指の快作。 プライドの高いハカセがフルヌードと言う屈辱を味わい、その復仇のために命懸けで作戦を練り、敵の基地に忍び込むあたりは最高に盛り上がる。 中盤からは荒井陽子たち女性軍も加わり、華やかな雰囲気も漂う。 後半は、ハカセの独壇場と言えるだろう。スパイを潜り込ませたり、事前に様々なワル知恵を働かせ、ほとんど犯罪行為に等しいことまであえてやって、絶対に負けない状況を作り出すあたりは、名軍師もかくやと言える切れ者ぶりである。 |
・ただ、単純なストーリーの割に普段と同じ長さなので、最後の決戦シーンではやや緊張が切れているのが惜しまれる。 一応、同世代に友達がおらず、孤独をまとうサバゲー軍団の隊長のパーソナリティが隠し味になっているが、物語そのものに影響を及ぼすほどではない。 これはあくまで戦争なのである。 |
・花山町が舞台なので、初登場の6年生のキャラや、過去に登場歴のある下級生などがたくさん登場する。ただ、下級生がハチベエのことを「ハチベエちゃん」と呼ぶのは多少違和感を覚えるが……。 |
管理人の評価
・変なドラマ性を持ち込まず、作者自身も戦争ゴッコに夢中になって書いているようなところがあって、それが望外の成功を収めた。 | ランクA |