第29作 | ズッコケ三人組のミステリーツアー |
基礎データ
初版 | 1994年7月 |
ページ数 | 212(あとがき2含む) |
ジャンル | トラベルミステリー |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | ハチベエは旅行会社からバス旅行の無料招待券を受け取るが、それは行き先の分からない「ミステリーツアー」だった。ハチベエはハカセとモーちゃんを誘い、旅行に参加するが、旅行先で参加者が殺される事件が発生。ハチベエは過去にも同じ場所へ旅行に来たことがあるらしいのだが……。 |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | 八谷一家の災難 | 10 |
2 | 十年前の旅行 | 58 |
3 | 第二の殺人事件 | 105 |
4 | 真犯人は……? | 158 |
作者からきみたちへのメッセージ
学校から出かけるのは修学旅行。 結婚式をあげていくのは新婚旅行。 勉強にいくのが研修旅行なら、遊びでいくのは慰安旅行。 代議士の好きなのが視察旅行で、OLの好きなのが海外旅行。 出かけたきりもどってこないのは…… 旅行じゃなくて、これは家出だ。 |
作品鑑賞
・久しぶりのミステリーだが、これは完全な失敗に終わっている。ハチベエたちが「ミステリーツアー」の招待を受けて出掛けるまでは期待できるのが、殺人事件が発生する前から、妙な違和感がつきまとい、全然楽しめない。つまり、これは児童文学で描く必然性のない、単なるトラベルミステリーになっているのだ。普通は、ハチベエたち子供の世界に、現実の大人の世界が呑み込まれた形でストーリーが展開するのだが、この作品、そしてこれ以降の作品でもしばしば出てくるのだが、逆に大人の世界にハチベエたちが包括されてしまっている。だから、結果的に子供の登場する「ミステリー小説」に過ぎず、こんなものを読むくらいなら、普通のミステリーを読むほうがよっぽど面白いということになる。 |
・また、ストーリー自体も無味乾燥だし、登場人物も全体的に刺々しくて読んでいて楽しいところがほとんどない。 ミステリーとしてはそれなりに考えられて書かれているけれど、過去のミステリー作品には遠く及ばない。 |
管理人の評価
・とにかく退屈な作品で、2回くらいしか読んだことがない。死ぬまで読み返すことはないだろう。「死神人形」ほどではないが最低クラスの作品だ。 | ランクD |