第31作 | ズッコケ発明狂時代 |
基礎データ
初版 | 1995年7月 |
ページ数 | 204(あとがき2含む) |
ジャンル | SF |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | 発明で特許を取り、一儲けをしようと企むハカセは、ハチベエの家の物置をその研究の場所として提供して貰う。 ハチベエ、モーちゃんとともにそれぞれの発明に頭を絞るハカセだったが、壊れた液晶テレビに雷が落ちてから、不思議な現象が起こり始める…… |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | ハチベエ発明研究所 | 10 |
2 | ふしぎな電波 | 56 |
3 | 四次元電波の謎 | 105 |
4 | 大雷雨の襲来 | 154 |
作者からきみたちへのメッセージ
発明は、1パーセントのひらめきと、99パーセントの努力によって生まれる。つまり1パーセントのひらめきのない人間には、 永遠に発明はできない。さらにいえば、99パーセントの努力のできない人間にも発明は不可能なのだ。 ひらめきもなければ、努力もできないきみは……。 せいぜい、この本でも読みたまえ。 |
作品鑑賞
・発明で特許を取り、お金儲けをしようと言うすべりだしの発想はいかにも三人組らしい。ところが、この作品、途中でがらりと様相が変わって、SF的な色彩を強めるのだ。 こういう読者の意表を衝くシフトチェンジはこのシリーズでは稀であろう。もっとも、三人がそれぞれ発明を成功、失敗させるだけのストーリーでは200ページももちそうにないのも事実で、作者は最初からこの未来の見えるテレビからのエピソードに比重を置いて執筆していたのだろう。 |
・キャラクターに依存せず、ストーリーの展開の妙で読ませる部分があって、特に終盤、雷雨の中で右往左往する三人組のくだりは、手に汗握るスリルに興奮を覚える。 |
・面白いのは、さらに最後に一種のギャンブル小説のような趣に転じるところだろう。これもシフトチェンジと言えなくもない。レースの結末を示さず終わってしまうのも、それはそれで一興だ。こういう風に、物語のオチをつけないで終わらせてしまうと言う処理も、異例かもしれない。 |
管理人の評価
・発明、競馬シミュレーション、SFミステリーとしては十分に楽しいが、ドラマ部分はほぼ皆無なので、一定の評価以上にはならない作品。後期作品としてはまともな方だが。 | ランクC |