第32作 | ズッコケ愛の動物記 |
基礎データ
初版 | 1995年12月 |
ページ数 | 204(あとがき2含む) |
ジャンル | 動物 |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | モーちゃんは捨てられている仔犬を拾い、こっそりと飼っていたが家族に見付かってしまう。そこで、使われていない工場の一角を勝手に借りて世話をしていたのだが、やがて友人たちが自分たちの持て余している様々な生き物を持ち込んできて、一種の動物園のような様相を呈してきた……。 |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | 子犬をだいて | 10 |
2 | ふえる動物たち | 57 |
3 | 花山動物園計画 | 107 |
4 | さようなら動物たち | 156 |
作者からきみたちへのメッセージ
きみが動物好きなら、この物語は、 最高に感動するにちがいない。 動物がきらいなひとが読めば、 たちまち動物大好き人間になるだろう。 動物も読書もきらいなひとが読めば、 おそらく、どちらも好きになるはずである。 たぶん……ね。 |
作品鑑賞
・動物のことをメインモチーフにした最初で最後の作品。犬から爬虫類まで、実に様々な生き物が登場して、それらの世話や生態の様子をリアルな筆致で描いている。 |
・しかし、物語は工場の隅での彼らの世話や、動物の引き取り手探しに費やされていて、ドラマとしては極めて退屈だ。次から次へと行き場のない生き物が持ち込まれてくるのはいいが、その分、ひとつひとつの比重は小さくなり、動物ドラマとしても魅力のない作品になってしまったことは否めない。一応、終盤に、田代信吉の失踪問題がクローズアップされているが、既に時遅し。 |
・総花的に多種多様な動物を登場させず、ひとつの個体に絞ってストーリーを仕立てるべきだったろう。 |
・ペットの問題や、人間と動物の関係など、社会的なテーマも僅かではあるが見られるものの、深く掘り下げて描かれているわけではない。 |
管理人の評価
・動物飼育のシミュレーションとして面白いかもしれないが、ズッコケシリーズとしては無味乾燥の内容。繰り返し読む気にはなれない。 | ランクD |