第34作 | ズッコケ三人組と死神人形 |
基礎データ
初版 | 1996年12月 |
ページ数 | 220(あとがき2含む) |
ジャンル | ミステリー、オカルト |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | ハチベエたち三人は、ハカセの父親のツテで、雪の山荘に遊びに出掛けた。しかし、そこで不気味な連続殺人事件に巻き込まれる…… |
章立て(後ろの数字はページ)
プロローグ1 | 10 | |
プロローグ2 | 13 | |
プロローグ3 | 16 | |
1 | 青が森山荘のクリスマス | 20 |
2 | 一人目の犠牲者 | 70 |
3 | 第二の犠牲者 | 117 |
4 | 犯人はおまえだ | 167 |
作者からきみたちへのメッセージ
ある朝、きみの家のまえに、黒衣の人形が おかれていたら、用心するがよい。 きみの家に、災いがおとずれる前兆なのだ。 ある朝、きみの家のまえに、百万円の束が、 おかれていたら、警察にとどけるがよい。 半年たったらきみのものになる前兆なのだ。 |
作品鑑賞
・29作に続いてのミステリーである。このスパンはやや短い。30作、33作でも謎解きの要素が加味されていたが、この時期、作者のミステリーを書きたいと言う思いが高まっていたのだろうか。 |
・が、29作の「ミステリーツアー」と全く同じ欠点が、この作品にも見られる。つまり、「ズッコケ三人組」の世界で行われる「ミステリー」と言うより、「ミステリー」の世界にハチベエたち三人組が迷い込んだだけの印象を受ける。言い換えれば、2作目の「ズッコケ探偵団」は「三人組」がいてこそ成立する物語だが、この「死神人形」は「三人組」が不在でも立派に本格(オカルト)ミステリーとして成立してしまうのだ。それが面白いかどうかは別にして、だ。むしろ、子供が事件の現場にいることで、ミステリーとしての雰囲気が壊されている。 |
・舞台設定はいわゆる「山荘モノ」で、トリックも本格的で、必ず面白くなりそうなのだが、これがぜんぜん面白くないのが不思議である。確かに那須正幹は児童文学作家としてはミステリー小説を理解し、書く才能があるとは思うが、本職のミステリー作家になるには及ばないと言うことか。 |
・しかも、最後はオカルト色を強めた曖昧な結末にしているのも、個人的には不満が残る。 |
管理人の評価
・これも、二度と読む気がしない部類の作品だ。管理人は読み返してみたことがあるが、その無味乾燥さに愕然とした。ワーストワン候補のひとつだ。 | ランクE |