第36作 | ズッコケ三人組のダイエット講座 |
基礎データ
初版 | 1997年12月 |
ページ数 | 204(あとがき2含む) |
ジャンル | シミュレーション |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | いつも太っているモーちゃんは最近ますます太ってきた。一念発起してダイエットを始めるがうまくいかない。 やがて知り合いの紹介であやしげなダイエットプログラムを受講する。今度はみるみると体重が減っていったが…… |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | 秋高く馬肥ゆ | 10 |
2 | ダイエット作戦開始 | 59 |
3 | ビューティ・ダイエットクラブ | 106 |
4 | ダイエットの恐怖 | 155 |
作者からきみたちへのメッセージ
クーベルタンいわく。 健全なる精神は、健全なる肉手に宿ると……。 健全でない肉体と健全でない精神のきみたちは、 この本を読んでみよう。 そうすれば、健全でないことが、いかにすばらしいかがわかる。 |
作品鑑賞
・今度はダイエットに焦点をあてたシミュレーション色の強い一篇。ただし、久しぶりにシニカルなはしがきにあるように、根底に作者のダイエット批判があるために、単なるシミュレーションに終わらず、ある程度の文学性を獲得することに成功している。モーちゃんが前半、節食で体重を減らそうと努力するあたりは実によくその心理をとらえている。 後半、過度なダイエットで怖いほどに痩せていくモーちゃんの様子はホラーである。 |
・最後はダイエット講座の摘発、ハカセの極端なダイエット批判などで締め括られているが、モーちゃんの体重そのものは安易に元に戻さず、回復の兆しを見せる程度に抑えているのも、節度ある描写だろう。 |
・久しぶりに6年1組の生徒たちの出番、特に女性陣の出番が多いのが嬉しいところ。 |
・なお、モーちゃんのお母さんのイラストは特に模写が難しいのか、63ページのお母さんの絵は、「ズッコケ結婚相談所」のイラストをそのままコピーしたような感じである。 |
管理人の評価
・内容的に心躍るようなものではないが、ダイエットの苦しさや危険性をモーちゃんの苦闘に重ねてうまく描いている。後期作品としてはマシな方か。 | ランクC |