第37作 | ズッコケ脅威の大震災 |
基礎データ
初版 | 1998年7月 |
ページ数 | 212(あとがき2含む) |
ジャンル | シミュレーション |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | ミドリ市南部を震源とする大地震が発生。ハチベエたちもそれぞれ被害を受け、避難所暮らしを余儀なくされる……。 |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | 4月19日、日曜午後1時3分 | 10 |
2 | 大地動転 | 60 |
3 | 再会は小学校で | 113 |
4 | 体育館の日び | 162 |
作者からきみたちへのメッセージ
この本を読んでいるときに、大地震が起こったらどうするか。 まず、開いた本を頭にのせて、落下物から頭を守ろう。 揺れがおさまったら、くつをはいておもてに出る。 もちろん本はそのまま頭にのせて避難すること。 |
作品鑑賞
・前回と同じくシミュレーションだが、今度はずっしりと思い題材を扱っている。無論、2年半前の阪神淡路大震災がきっかけである。最初の不気味な予兆から、なんてことのない平和な日常が一瞬で破壊される恐怖。激震に見舞われた三人組のそれぞれの様子がリアルなタッチで描かれており、読み応えはある。その後の救援活動、避難生活、人々の暮らし、葛藤、悲しみなどが本当の震災を取材したかのような迫真性を持って展開する。 |
・さすがにレギュラーキャラクターの中では死者は出ていないが、花山第二小学校の児童、父兄の中には犠牲者も出るなど、パラレルワールドで決着させるにはいかにも重い内容となっている。作者も最後は安易に「夢だった」「すっかり復旧した」などという結末にはしていない。 |
・三人組やその家族、クラスメイトが被災者である分、シミュレーションとしては極めて身近と言うか、実感を伴って読める。そう言う意味では、シミュレーションジャンルの中では最も優れた作品かもしれない。 |
管理人の評価
・シミュレーション小説としては確かによく書けているが、ズッコケシリーズとして面白いかどうかは微妙だ。 | ランクC |