第48作 | ズッコケ怪奇館 幽霊の正体 |
基礎データ
初版 | 2003年12月 |
ページ数 | 204(あとがき2含む) |
ジャンル | ミステリー、ホラー |
挿絵 | 高橋信也 |
あらすじ | ハカセの家では新車を買い、その試運転を兼ねて暗闇坂と称される峠を走る。そこでは最近幽霊の目撃談が頻発していた。 ハカセたち三人組は「ミツルの怪奇館」と言うサイトの情報を元に、幽霊の正体を調べだすのだったが…… |
章立て(後ろの数字はページ)
1 | ミドリ市暗闇坂 | 10 |
2 | 交通事故発生 | 60 |
3 | 幽霊伝説のルーツ | 108 |
4 | 幽霊の正体 | 155 |
作者からきみたちへのメッセージ
暗闇坂と呼ばれる坂道は、日本全国にあるらしい。 昼でも薄暗い、陰気な坂道だ。 もしかしたら、 きみの住んでいる町にもあるかもしれないね。 |
作品鑑賞
・40番台の中ではかろうじて読めるほうだろう。久しぶりにホラーに挑戦かと思いきや、人為的な噂の発生源をつきとめようというミステリー色の強いストーリーであった。 |
・インターネットが物語の中で重要な役割を果たしたり、「文化祭事件」で活躍した徳大寺に再びスポットが当たったり、重層的な謎が描かれていたり、それなりに作者の工夫がしのばれるものの、プロット自体のスケールから言って、わざわざ1冊まるごと使って書くようなストーリーでもないように思う。全盛期の作者ならオムニバスの1話くらいで十分書けただろう。 |
・第1作の短編「怪談ヤナギ池」に負けてどうする。 |
・なお「暗闇坂」の正式名「勝坂」は、作者の住む防府市にある「勝坂トンネル」からとられたものだろう。ここは火葬場に通じていることから地元では一種の心霊スポットのようなとらえかたをされている。 |
管理人の評価
・幽霊だと思ったら実は人為的なものだったと明快に答えの出る珍しい展開の作品。謎解きミステリーとしてはまずまずの内容だ。 | ランクC |